ジャムスタ

just another mind Style

やり方の提供・無敵の論理・疑り深さを取り入れる

「このやり方をすれば、絶対に成功します。ほら、実際に成功している人も少なからずいるんです。どうです?やってみましょうよ!

 

えっ?やってみたけど、成功しない?それはまだこのやり方が足りていないのです。もっともっと、このやり方を続けば、成功します。ほら、実際に成功している人もいるんですよ。エビデンスですよ、エビデンス」

 

というのは、基本的に「無敵の論理」なので、まともに受け取らない方がいいです。

 

Aを行えば、必ず成功する。成功しないのは、Aが足りないのだ。

 

という言い分は、ほとんど何も言っていないのに等しいです。

 

たとえば、何かしらの難病があり、それに対して効果のある「水」があったとしましょう。それを飲み続けていて、確かに症状が緩和した人がいるとします。すると、「この水を飲み続ければ、症状が改善する」という謳い文句が飛び出てくることでしょう。

しかし、もしかしたら、その「水」を飲んでいた人が同時に行っていた運動が、症状緩和に役立ったのかもしれません。水を飲んで、飲まなくても結果は変わらなかったのかもしれません。

この点を検証しようがないのです。

 

少なくとも、「改善した人がいる」というだけでは、何の証拠にもなりません。厳密にコントロールされた科学的な実験とは違うのです。

 

冷静に考えれば、当たり前の話なんですが、人間追い詰められていると、わらにでもすがりたくなってくるものです。

 

日常的に疑り深く生きていく、というのは生き方の最適解ではないでしょうが、大きな決断を必要とすること(大金が絡んだり、先行きが大きく変更したりすること)では、できるだけ疑り深さを持った方がよいかもしれません。少なくとも、「引っかかる」可能性は減らせるでしょう。