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プレイズ・ファーストについて

「プレイズ・ファースト」の本質は「良点発見」_(ブレインストーミングのルール+α): 石井力重の活動報告

 

上の記事を読んで、少し考えたことを。

 

ブレストの基本的な心得である「判断遅延」。アイデアの種を評価し、吟味するのは後にしましょう。ということ。

 

これには二つの意味がある。

 

一つは、ブレストがクールダウンしないようにするため。ネガティブな評価は、発言者の発言意欲を下げてしまう。ライオンを恐れて、ウサギが巣穴に引っ込むように。また、最初に出る評価は、既存の評価軸に縛られている可能性があり、新しく、面白いアイデアが、まるで新米軽口ブロガーが叩かれるように、叩かれてしまう。

無難なアイデアで良いのならば、そういうたたき合いの風潮もよろしいのだろうが、そもそも無難なアイデアで良いのならば、ブレストを実施する必要はない。

とりあえず、アイデアを自由に出し合う場では、それについての評価はせずに、思うままに思ったことを口に出せる環境を作ることが大切。

 

では、もう一つの意味は。

 

それは「遅延」の方にある。つまり、それは遅れながらでも実行されるということだ。つまり、出しっぱなし、広げっぱなしではいけませんよ。きちんと判断は行いましょう。ただし、最後の方にね、ということだ。

 

それが「判断遅延」。

 

で、一つ目の意味合いをより強調するために「良点発見」が提案されている。これは素晴らしい。何をすべきかがはっきりしている。

 

ここで、考えたいのは、なぜオズボーンは「判断遅延」としたのか、ということ。

 

それを文化的な習慣の違いに見て取ることはできないだろうか、と思ったのだ。

 

つまり、「悪いことはビシビシ指摘するけれども、良いところもどんどん褒めていく」という文化__そこに所属する人の多くがそういう行動傾向を持っている、というぐらいの意味合いで__であれば、ネガティブな判断を禁止すれば、必然的に良いところを褒めるが前に出てくる。なにせ、それしかすることがないのだから。

そういう文化圏ならば、ネガ禁で円滑に進めるだろう。

では、「悪いことも、良いこともあまり口に出さない」文化ならばどうだろうか。あるいは「口に出すことは悪いことばかり」ならばどうだろうか。

こういう場合、ネガ禁にしてしまうと、するべきことが無くなってしまう。お手上げだ。

そんな文化兼ならば、「良い点を積極的に探しましょう」というアドバイスは有効なように思える。そして、それはまさに日本人の・・・と型にはめてしまうのはちょっとどうかと思うが(企業文化で見た方がいいかもしれないし)、言いたいことはそういうことである。

 

もちろん、これは単なる仮説だが、国の文化、企業の文化、あるいは家庭の文化など、その差異を全て吸収できる大原則を探すよりも、それぞれの形に最適化された方法論を作る方が効果的かもしれない。

 

なんてことをちょっと思った次第。

 

Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)

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