ジャムスタ

just another mind Style

探せない本屋

昨今、書店のメディア化、あるいはキュレーション力が問われてきているように感じる。

当然、それを実現するためには店舗運営維持コストがかかる。

なら、いっそのことガソリンスタンドのセルフサービスの方向に振り切れてみてはどうだろうか。

さすがに自動販売機だと寂しいので、きちんと棚は準備する。

ハイブリッド情報カード

まず、でかい本棚を準備する。できれば、一列がいい。少なくともお客さんが歩いてぐるっと回れる形にしておきたい。

本の入荷があったら、それをただ入荷順に本を並べていく。どんどん、どんどん、並べていく。

確実にカオスな棚ができあがるだろうが気にしない。お客さんはそのカオス具合を楽しみにくるのだ。

自分が普段なら目にしないような背表紙の本に出会うだろう。

本の数が増えてくれば、返本が必要になってくる。そういう場合は、一番奥(一番最初)に棚に置かれた本から返品されていく。

ただ、このままだと面白くないので、多少アレンジを加える。

お客さんが、本の配置を動かせるようにするのだ。

「この本、そろそろ返品されちゃうけど、来週買いたい」

という場合は、端っこにある本を真ん中に移動させる。これでしばらくは返品から免れるだろう__他のお客さんによってまた端っこに戻されない限りは。

自分が気になる本をいくつかまとめて並べさせることもできる。

確実に言えることは、その棚は__本の納品がある限り__毎日違った棚になるだろうし、お客さんが来店されるならば、時間ごとでも、見せる顔は違ってくる。

ポイントは、売れない本でも、移動させてくれる人がいるならば、本棚に残る、ということだ。こういう買うわけでもないけど、人気、というのが拾えるのは面白い。もちろん、お客さんがほとんどこなければ、ただ流れていくだけの本棚なのだけれども。