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「能率手帳」が「NOLTY」に変わると聞いて、つらつら考えたこと

「能率手帳」は「NOLTY」へ変わります - ニュースリリース | JMAM 日本能率協会マネジメントセンター

 

ちょっとびっくりしました。

 

能率手帳」ブランドが「NOLTY」という名前に変わるようです。

 

なんだよ「NOLTY」って。っとツッコミを入れたくなりますが、もちろん、ちゃんとした意味があるようです。

 

 New Style - 新しいスタイル

 

 Original - そしてたったひとつの存在で

 

 Life Time – ずっと毎日

 

 Your will – あなたの想いを叶えたい

 

なんか、J-POPの歌詞みたいですね。まあ、いいです。

 

これほど長く続いてきたブランド名を変えるというのは、なかなか重い経営判断だったのでしょう。少なくとも、「そろそろ、飽きてきたし、変えちゃう?」みたいな髪型を変えるようなノリではなかったと思います。

 

そして、「変化する」というのは、「変化をしいられた」という風にも捉えられます。このままではいけない、と危機感が発生したからブランドを変更した。そういうことなんでしょう、きっと。

 

それは、「手帳」を取り巻く環境が変わってきていることに原因があるはずです。

 

たとえば「ほぼ日手帳」。「能率手帳」と対比すると、見るからにゆるキャラ系の響きがありますが、実際、ガチガチのビジネスユースは想定されていません。もちろん、ビジネスで使うこともできますが、それはあくまで「そう使える」というだけの話です。

一日ページ、24時間のタイムラインの存在は、仕事に限定されるものではなく、自分の人生を記録していく手帳であることを主張しています。

 

高度経済成長下の会社員にとっては、人生=仕事、人生=働くこと、だったのでしょう。プライベートの楽しみは、老後にとっておく。そんな感覚です。

が、現在は、特に現在の若者はそういう風には捉えていないのではないでしょうか。もっと、自分の人生を広く捉えているはずです(もちろん、それはそれで別の問題が生じるわけですが、それはさておき)。

 

結局の所、手帳というツールが、ビジネスツールではなく、ライフツールとして使われるようになってきている。そういう環境の変化が起きているのでしょう。そういう認識において、「能率手帳」はあまりにもビジネス臭が強すぎます。

 

たとえば、「モレスキンを持って、散歩に出かけよう」とか「ほぼ日手帳をお供にショートトリップ」とかは違和感ありませんが、「能率手帳と共に、海外旅行」なんて書くと、一気に視察的な雰囲気が漂ってきます。別に視察が悪いわけではありませんが、何か違う感じが漂ってきます。

 

おそらく「会社員的会社員」の絶対数が減少しているのでしょう。サービス業などに従事する人の数は年々増え続けています。さらに、手帳を使わずに、クラウド+スマートフォンを使用する人も増えています。「ビジネスユースオンリー」の市場そのものが狭くなりつつあるのでしょう。

ブランド名を変えることで、新しい市場に足を伸ばす。おそらくはそういうことなんだと思います。英断なのかどうかは、もちろん現時点ではわかりませんが、本格的にやばくなってから対応する、というのは遅いことは間違いないでしょう。

 

と、つらつらと書いてきましたが、よくよく考えてみたら、生まれてこのかた「能率手帳」を一度も使ったことがないことに思い至りました。「会社員的会社員」であったことがなかったですからね。